毎年ブルーノートでやっている公演に1日に行ってきた。
年に一回、三分の一は矢野を、残り2/3はクリフ・アーモンドとアンソニー・ジャクソンを聴きに行く日なのだけど、今年はギターの新しい人を連れてくるということでいつものトリオではない。不安と期待が混じった感じで臨んだわけです。
会場にピーター・バラカンさんがいて、席も隣(あちらはボックス席でしたが)だったので、文子さんが変な秋波を出しまくってて気持ち悪かった。「英字新聞読んでるよ~」って、デーブ・スペクターじゃないんだからさあ。
ブルーノート青山の最大の利点は「狭くて近い」こと。会場のどこにいても全部聞こえて、全部見える。最大の欠点は料理がおいしくない点。値段が高いというのもあるけれど、よく考えたらこれがもし安かったら僕はこんな席にはたぶん座れないだろう。NHKホールではもはや良い席を取るのは至難の業だ。
さて、演奏の内容はというと、、Marc Ribotの演奏に圧倒されっぱなしでした。クリフとアンソニーの演奏をブルーノートで初めて聴いたときも魂消たけど、またすげー外人連れてきたなあというのが正直な感想です。
非常に丁寧で正確、且つ個性のあるギター。クリフのドラムのようなギターだった。
エレキギターとアコースティックギターとあともう一本あったのは楽器に暗い僕にはなんだかよくわからなかったが、ふだんは嫌いなエレキギターの音も、こうやって完全なコントロール下に置かれているものを聴くと鳥肌が立つのだなあ。自分が制御できないディストーションやフランジャーに乗せてあとはシラネ、という自慰的な音が嫌いなだけなのだということがよくわかった。
最初出てきたときはどこのRobert Knepper(参考)かと思ったんですが、、
アクトは初日の2回目。「Rose Garden」やレッドツェッペリンなどもあったが半分くらいが新曲だったと思う。今年10月に出る矢野顕子の新譜「akiko」はこの人と作っているそうなので、俄然楽しみになってきました。ていうかまた来年ブルーノートで聴きたい。それくらい良かったなあ。
来週末あきるの市きららホールに矢野顕子が来るので、せっかく近所だからということでそちらのチケットも購入済みなんだけど、たぶんこれはソロだろう。
正味の話、クリフ、アンソニーとのトリオは安定感あるし聴けば毎回すごいし毎年何かと新しいものを聴かせてくれてはいたのだけど、そろそろやりきった感が無いではなかった。でもレイ・ハラカミとかくるりとのコラボは正直あまり乗り切れないものがある。他でも聴けるし聴いているのだから。もちろん、くるりやハラカミを聴かない大人にとっては面白かったのだと思うし、「ばらの花」や「Night Train Home」みたいな収穫もあるんだけどさ。ただ基本的に同じことをやるのが嫌いな矢野らしいチャレンジではあったので、座して待てば今回みたいなご褒美もあるのだね。