上海, under-construction

1001_shanghai01上海。
この旅行をねじ込むために元日まで仕事をしていましたが、なんとか日本脱出に成功しました。同行者は3人。茂、文子、そして茂がつい最近NYで知り合ったMさん(日本人)。
Mさんの弟さんのKさんが上海で会社をやっていたところに我々の旅行がちょうど転がっていたため、上海のみ一緒に行動することになりました。たいへん気さくな女性で初日から仲良くなっています。茂がN.Y.-Tokyo-ShanghaiとMさんと遊び続けているのもなるほどなと分かります。

Pu-dong国際空港からリニアで7分、地下鉄で6~7駅ほど来た人民広場近辺の長期滞在者向けのホテルにいます。部屋は 2-bedroom, living, kitchen でとても広い。日本ならジュニアスイートで普通に通る豪華さで、二泊で3人で3万円くらい。

上海の印象は「どこもかしこも工事中」。香港よりは殺風景で汚いしホームレスも多いですが、香港の半ば老練な活気とは違う、上を狙う若い野心とパワーに満ちています。そう遠くない過去に銀座ではなく新宿が持っていた活気は近かったのではないでしょうか。五月に万博を控え外灘(昔の上海租界:通称バンド)を始め街のあらゆる場所が工事中で観光にはあまりよくない時期みたいですが、視察にはもってこいでした。

僕と茂は仕事が忙しく旅行の中身を一切詰めずにやってきたため、初日はKさんとその彼女の安々さん(日本語勉強中。かわいい)に完全に頼り切ることになってしまいました。新天地(日本で言う恵比寿GPのようなオシャレスポット)で軽くショッピングとお茶をしたあと、上海阿叔(Shang-hai Uncle Restaurant)という豪華な店で個室フルコース。フカヒレでほっぺたがテカテカになりました。

その後とっぷりと暗くなった街を散策(半分迷いながら)してホテルに戻り、茂と僕は少し仕事を片づけた後、金茂大厦88層観光庁(GRAND HYATT SHANGHAI)という高層ビルの87階に位置する cloud 9 というバーへ。森ビルが建てた上海環球金融中心の隣に建つ超高層ビルのほぼ最上階に位置するお約束の高級バーです。昼ご飯が排骨麺一杯4~7元(1円14元なので60円~100円くらい)というところをテーブルチャージで1000円、カクテル1000円くらい普通に取るのですから、無茶な話です。このことからも分かるとおり、中国の実情は最早我々が想像している共産主義の姿とは明らかに違います。(日本共産党が資金面の問題で党大会に中国共産党のお偉いさんを呼ぶのをやめたという話がありましたが、果たして資金の問題だけであったのかどうか。この状況を筋金入りのコミュニストが見たら複雑な心境になることは否めないでしょう)
単身滞在して工場を経営して4年になるというKさんからたっぷり上海の話を聞き、中国の「今」と「これから」を見るというこの旅の目的はほぼ達成されてしまいました。

初日を一言で言うならば「満喫」。仮に今日日本に帰ってもそれだけの価値はありました。「柔軟な共産主義」という強さ。中国は内患を抱えているしそれは間違いのないところですが、大戦後50年低迷した「眠れる巨龍」は決してただ寝ていただけではなく、ソ連崩壊から多くを学んでいるということ、そして今時流を得、さらに金という説得力を得て巨大な潮流になっているということを感じざるを得ませんでした。

二日目はメンバーのほとんどが睡眠不足で上海入りしているので、少しゆっくりしながら午後からYu-Yuan(豫園)という観光客向けの保全地区へ行って来ます。日光江戸村みたいなもんですかね。