2009 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE 観戦

25日日曜日、宇都宮で開催された2009 JAPAN CUPを見に行ってきました。本来プル夫さんと観戦を予定していたのですが、彼は前日富士スピードウェイをこの寒空の下走るという無茶なイベントに出場し、あまつさえ雨に降られ、前日深夜に力無い声で「俺、やめとくわ・・・」と欠席のご連絡をいただきました。プル男からぬるおと改名しただけあり、立派なぬるさを見せつけてくれたと言えます。(3人で7時間200kmをエンデューロというものだったらしい。半ば予期できた事態ではある。お疲れ様)
そんなわけで、私たちだけで向かうことになりました。(このエントリーの動画はYoutubeに上がったもののリンクで僕の撮影ではありません)

朝5時半に目覚ましをセットしたものの6時頃起き、しっかり朝ご飯をいただいてからお結びを握り、6時半頃立川を出立いたしました。朝はあいにくの雨。現地の天気が気になりますが、2ch情報によると降ってないらしい。今日のためにETCを装備したばかりのプントはいつもながら元気に走ります。

所沢ICで高速に乗りました。東北道下り佐野PAで日光へ行くとちゅうと思しきおばさま軍団にトイレ前で道をふさがれて大渋滞に巻き込まれた以外は全く停滞しませんでした。しかしそのトイレ前の渋滞が祟り現地に着いたのが10:00のスタートを少し回った時間でした。

特に整理もされていない、自由な駐車焦りながらもコース近辺にさしかかると、前の車が脇の空き地にフリーダムな駐車を始めました。よくわからないながらとりあえず停めて地図をみようと続いて入ってみると、そのただの空き地にしか見えない場所は実はオフィシャルな駐車場で、JAPAN CUPコースの南端にあたる田野町交差点にある鈴功商店の駐車場を貸してもらっているとのことでした。お値段なんと300円。確かに鈴功商店の駐車場はスタート/ゴール地点からは遠いのですが、それでも安い・・・。とにかくすでに交通規制が敷かれているので、これ以上中へは入れません。

最初の周回。長い下りのあとのハイスピードコーナーをパスする集団手荷物をパッキングして交差点を渡ろうとすると、先導車が猛スピードで走り抜けていきます。山の上のほうでスタートした選手たちが、ちょうどふもとに降りてきたところだったのでした。最初の山岳を経て逃げを打った数人と、それに続く集団がものすごいスピードで90度の交差点を曲がっていきます。測ったかのようなタイミングに否応なくテンションボルテージが振り切れます。そしてそれに続くスバルレガシィの大群(SUBARUが公式スポンサーなのです)の最後にAMBULANCE CAR(救急車)が通過し、観客もその後に続くように山へ向かって移動を始めました。

このシーンの動画

二周目の集団。萩近辺で着いた早々準備もなく巻き込まれてしまいましたが、このコースは14.1kmの周回コースを10周+途中をショートカットしたラスト1周で構成される全長151.3kmのコースです。周回コースということは、つまり場所を移動しながら何度も選手を応援できるという、初観戦で心得がないものにとっては非常にありがたいしくみになっています。周回コースというとツール・ド・フランス最終日のシャンゼリゼ大通りの周回などを想起しますが、宇都宮の周回は林道を利用した激坂山岳あり・牧場あり・ダムあり・高度差180mのなかなかバリエーションに富んだ構成です。行く前は「だって周回だろ~」なんて思っていたのですが、なかなかどうしてしっかり考えられたコースです。そしてコースの内側はほとんど山と畑。人家はもちろんあるのですがまばらで、一般交通への影響があまりありません。山岳ポイントの位置といい、たしかに得難いロケーションです。

コースレイアウトはこちら(オフィシャルALPS LAB route)を参照のこと。オフィシャルの地図の7番が田野町交差点で、ここがもっとも低い場所。コースの左肩が山岳ポイントの設定された林道の頂上で、そこから麓まで駆け下りる左(西)側はあまりにスピードが出るので観戦が禁止されており、反時計回りで東側から選手の後を追いかけるよう回り込みます。

出場選手の今年の目玉は昨年に引き続きイヴァン・バッソ(リクイガス)の出場と、イェンス・フォイクト(サクソバンク)、そして何よりBboxブイグテレコムでツール・ド・フランスに出場し途中ステージで5位入賞、日本人では別府史之(スキルシマノ)とともにツール初完走を達成した新城幸也の凱旋。実はシュレク兄弟の参戦が予定されていましたが、直前に二人とも怪我の治療などでシーズンを終えてしまい今年の参戦は無くなりました。残念。

のどかな農村風景。コスモスの向こうを走る選手たちさて、ゆるやかなアップダウンを歩いていくと、のどかな山里の風景が広がります。コース脇を歩いていますので、選手たちが周回してきて近づくと、先導車がレース状況を簡単に説明しながら通り過ぎてくれます。これを合図に脇によると、先導の栃木県警の白バイが二台通り、選手たちがやってきます。その都度沿道から応援をするのですが、最も観客が多いのは実況と中継がされ屋台も出店しているスタート/ゴール地点で、僕らの出発地点からは7kmほどの道のりを近づくにつれて指数関数的に応援の数が増していきます。

5周目。逃げのグループゴールに向かって山を登っていく間に何度も周回があるので、いろんなシーンで選手を見ることができます。スポーツ撮影が初めての僕もあれやこれや試しながら都合8回の再チャレンジができました。これはなかなかいい。いやかなりいい。ものすごく勉強になりました。
僕たちの歩いたコースだと昼頃にコスモスの中で弁当を食べる余裕もあり、ちょうど最後の3~4周をゴール地点で迎えることができ、ゴールスプリント前の場所取りもそれなりにでき、計画したものではありませんがまるで誂えたようなタイミングでした。ただし!これは田野町交差点に車を置いているから「上ったところでゴールを見て終わった後は下山するだけ」というのができたのであって、上に車を置いてスタートのあと南や東でも観戦し、さらにゴールスプリントを見たいなら自転車が必須。歩いても最終周回のコースを使ってショートカットすれば上、下、上という応援が可能だと思いますが、途中何周か見落とすことは必至だと思います。

5周目。まだ笑顔がある後続集団上に車を置いて徒歩で観戦するなら、山岳ポイントとゴール地点を行き来しながら応援をするのがおすすめ。小ぶりの湖をバックにわずかに色づいた紅葉の中を疾走する自転車はなかなか絵になります。イギリス湖水地方の1000湖ラリーの風情というか・・・まあそれは言い過ぎかもしれないけれども、そんな気になります。大会が終わった後に車で見に行ってみたのですが、写真の絵作りを重視するならコスモスより湖(ダム)でズームレンズ使用、と感じました。一方で応援のハイライトはやはり日本人選手が活躍できる山岳ポイント。かなりの急坂ですがこちらもぜひ来年は行ってみたい。下の動画で一部見ることができます。もし自転車を持っていけるなら、スタート地点近辺に車を置いて、スタート→一気に下って東部のコスモス→戻りながらスタート経由で湖および山岳ポイント→ゴール という贅沢な観戦が可能かも。ほとんど山なので、足に自信がないと厳しいかもしれませんが。下からスタート地点までは高低差80mですから、登山としては大したものではありませんが一部急坂があります。

山の上のほうの雰囲気が分かる動画

スタート地点についたときは既に残すところ3周。僕らは最終ストレートのための位置取りに必死で中継を見られなかったのですが、イマニャカ氏の焦った音声によるとそれまで地元のチームに先行を許していたフォイクトら海外勢が一気に動き、先行は吸収、集団もばらけはじめたようです。最終ラップ手前で先頭集団になんとか新城も追走し激坂前で追いつくのですが、追いついたところでサクソバンクのクリスアンケル・セレンセン(二人いるセレンセンの一人)とケースデパーニュの選手(記事によるとパブロ・ラストラス)がカウンター気味に飛び出し、新城はここで置いて行かれてしまいます。ユキヤ!ユキヤ!とオフィシャル中継なのに個人名で応援しちゃうイマニャカもどうかと思ったけどw、ラジオで中継していたクリリン(栗村修)のほうはどうだったのか気になる。

この頃にはゴール前は位置取りで混沌とし始めます。あちらこちらで警備員の「横断しないでください!」という声がこだまし、コースが一部変わるのでそこの位置取りも激化。一部ではトラブルも見られました。築地場内の大和寿司の行列でもよくみられますが、知り合いを置いておいてそこに入るのは避けるべきと思います。自分も気をつけよう。僕らは2周犠牲にした甲斐あり、見通しは若干悪いものの最終スプリントを見られる位置に陣取ることができました。

ラストの直線をスプリントするセレンセン僕らの場所からは大型モニタも少ししか見えず、いまかいまかと選手を待っていたのですが、にわかに観客の声援が大きくなりました。最終ラップの最初で飛び出したセレンセンがそのまま後続を千切り、スピードを維持したまま一気に駆け上がってきます。

続く後続。ケース、リクイガス、フジそして続く後続。

さすがにツールのあとの調整は厳しかったのか。新城幸也新城は山岳ポイント前で足を使い果たし、25位近辺でゴール。やはりツール完走のあとの調整は難しかったのかもしれない。グランツール直後のレースはわりと足が回る、なんて誰かが言ってた(市川雅敏だったかな?)気もしますが、ツール終了~ジャパンカップまでは結構日にちが経っています。取材なんかも多かったでしょうしね。とにかく来シーズンに向けてまたがんばってほしいです。

総評としては、すごく楽しかった。
自転車ブームで(僕もそれに乗っかった一人ですが)どれだけ人手があるかと思いましたが運営がパンクするほどでもなく、人をうまくコントロールできています。沿道の地元の方たちも親切で、運営スタッフも殺伐とせず柔軟に対応している印象。コースはこれ以上広いと徒歩での観戦には不向きになってしまいますし、そうなると車での移動がしにくい山道の閉鎖性が響くでしょう。個人的には自転車ブームは今年がピークで来年から若干下火か微増に収まるのではないかと思って居るんですが、これなら来年もパンクしたりはしないでしょう。ぜひ来年も来たいと思わせるイベントでした。

古賀志林道 これ以上いけなかったレース終了後ふもとまで降り、見られなかった古賀志林道を見よう!ということで車でスタート/ゴール地点を越え林道方面へ。ですがさすがに林道なので車の立ち入りが禁止されており、入れませんでした。残念。

気を取り直して観戦後のお楽しみ、夕食タイムです。宇都宮といえば餃子だろうということで、一路宇都宮市街に向かいます。駅近くのPARCOの駐車場に停め、一服しようとスタバに入ると、隣の席から聞き慣れない言葉が。・・・と見ると、今日優勝したセレンセンとラーションをはじめサクソバンクとリクイガスの北欧系の選手たちがコーヒーを飲んで談笑しています。残念なことに素顔を見ても誰だかわからず、声はかけられませんでした。セレンセンがいたのはあとでパンフと見比べて分かったのですが・・・

餃子会館のスープ餃子(えび)とりあえず仕事を終えてほっとしてるだろうからそっとしておくが吉、と思ってPARCOを後にし、バスに乗って宇都宮駅まで移動します。携帯で評判を調べ駅前の宇都宮餃子会館という店で餃子三昧。評判に違わず肉汁がたっぷり詰まっていて、うまい。といっても餃子なんでお値段もリーズナブル。焼き餃子18個、スープ餃子12個にビール一本(僕じゃないです)をつけて2000円。ナイス、宇都宮。

餃子会館の焼き餃子3種セット18個お腹も一杯になったところで帰り道、一部ファンの間で話題になっているホテルニューイタヤを通りがかりました。(というかわざわざ歩いたのはここに寄るためです。)するとちょうどハードケースに収められた自転車がどんどんトラックに搭載されているところで、イヴァン・バッソほか有名選手が普通にそのへんを歩いています。恐るべし、宇都宮。グッズとサインペンを持ってたらサインもらったのになあ・・・と思いながら、ぐっとこらえて控えめな日本人になりきります。いや、そのものなんですけどね。あんまうろうろして2ちゃんねらーのピザデブうぜえと思われても嫌なので、満足して帰路につきましたとさ。

帰りは若干渋滞しましたが、燃費17.7km/Lを記録し危険な目に遭うこともなく、順調そのものでした。朝からだったのでさすがに疲れ、来年も宇都宮に行くぞ!と心に誓いながら泥のように眠ったことよ。

“2009 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE 観戦” への2件の返信

  1. お疲れ様でした。そして、すみませんでした。
    セレンセンのスプリントのフォームの前傾姿勢っぷり、写真もお見事!
    やっぱり、上半身って大切だよなぁ、と思える一枚であります。

  2. 大変だったね前日は
    山が結構きつかったので、来なくて正解だったと思う。
    写真についてはいろいろと反省点があってとても勉強になった。来年はズーム仕入れていくぞ!