活性水素水に注意

読売が記事にしてYahoo!JAPANにも掲載されていますが、活性水素水が記憶力の低下を抑える効果があり、認知症の予防に効くとか効かないとか。
当初あった「水素を含まない水」という謎の記述が物笑いの種になったりもしていましたが、今は訂正されている模様。

それはそれとして、この活性水素水というストーリーにはマイナスイオンの臭いがプンプンします。水素が体内の活性酸素を取り除くことは判明しているものの、既に商品化されている「水素水」を常識的な用量で飲むことによって人間に影響があるかどうかは疑問視されているところです。厳密な意味では疑似科学ではないものの、こちらを見れば
「商品作る」→「大学機関の研究に出資する」→「それっぽい研究結果を権威ある学術誌に掲載」→「商品売れる」
いわゆるマッチポンプに近い構造を疑われてもしかたないでしょう。
また研究結果も人体に影響があると言えるものではありません。

僕は専門家ではありませんが
・実験は認知症ではなくストレスによる記憶力低下に関するものである(ストレスを与えない環境下では効果がなかった)
・つまり恒久的な記憶力障害ではないため、認知症とは関係ないのでは?
・認知症発症のメカニズムの一部に活性酸素が関わっていることは言えるらしいが、これは主原因ではないため水素水が一時的な抑制効果を持つことはあっても治療には結びつかない
・水素水がストレス性の記憶力障害になぜ効果があったのかはよく分かってない
・マウスならともかく、人間の体格に対し効果的な量を確保する為には一日何百リットル飲めばいいのか
・ぶっちゃけ水に乗せるのは非効率的じゃないか
・ビタミンC・Eが活性酸素抑制するんだからそっちのほうがいいじゃん
というような感じの疑問や異論が噴出しているようです。

というわけで、疑似科学とは言えないまでもこれが人間に効果があると言うことはまだできないようです。
もうすこしまともな研究結果が出るまで活性水素水にホイホイとお金を出さないようにしましょうね。

“活性水素水に注意” への4件の返信

  1. 科学-化学は、仮説検証のくり返しによって、紆余曲折、人の心をかりそめに慰める結果を与えてくれます。その逆もあって結果落胆を招くこともあるでしょう。それはひとつの参考資料として、弁えておきます。今はあまり関心ありませんのですぐ忘れてしまいます。ところで、麦茶がおいしい季節になりました。でも水出しってのは、あまりよくないね。なんといってもちゃんと煮出しをしましょうね。腹冷えしないように。

  2. 麦茶いいね!
    でも火を使うとただでさえ暑い部屋が大変なことになります。

    人々の恐怖心につけこむというのは商売の一つの方法だけど、こういうやりかたは感心しないな。