自転車生活と服装・金銭感覚

ちかごろ自転車を中心にものごとを考えるようになってしまったので、服を買うときも「脱いだとき小さく折りたためるだろうか」とか「通気性はよいだろうか」といった機能にばかり目がいくようになってしまった。今まで気にしたことすらなかったが、重さも気になってしまう。値段に関しても、自転車用品の値段に換算して「ヘルメット2個分」とか「レーパン1着分」という計算をするようになってしまう。車を見ても「フルカーボンロード5台分」に見えるのだからどうしようもない。
さて、僕のワードロープのカジュアル志向はここ数年の流れであり、自転車もその延長線上にあるに過ぎない。おばあちゃんには「30目前なのに高校生みたいな格好して・・・」と呆れられている。「小さいときに好きなことできなかったから」とも言われたが、それは多分違う。好きなことばっかりやってきたけどインドア方面ばかりで体を動かす方向に行かなかったので、今まで開拓してこなかったドアの外の世界が楽しくてしかたないのだ。
そんな状態で、ふと気付くと僕のクローゼットにはデニムパンツと多ポケットのワークパンツとTシャツとパーカーばかりになっていた。スーツやYシャツ、ドレスシャツも無いではないが、もうずいぶん前から流行のものというより長く着られるものを選ぶようになっていて、量は非常に少ない。最近ここにドライメッシュ系のスポーツウェアが少しずつ増えてきている。
普段の生活をする分にはそれで十分。そういうふうに仕事も生活も設計しているからだ。だけど、今週末にイレギュラーな出来事がスケジュールされてしまった。何をとち狂ったか、有村と僕は社員旅行と称して上高地の帝国ホテルのスイートをとってしまい、夕食にドレスコードのある店で予約を入れてしまったのだ。これは事件というか事故に近い。
さて困った。ドレスコードと言ってもさすがに山の中なのでそれほど厳しくはないだろうが、最低限デニムとTシャツは避けるとしても、スーツを除いて僕の最もフォーマルな服装は、ジーパン+Yシャツ+革靴なのだ。これは酷い。大学時代に履いてたパンツを引っ張り出すこともできるが、さすがにてろてろなので気が引ける。学生時代は全くこの逆で、あれも時代であったのかななどと思う。
どうせ一日なのだからGAPかユニクロでチノパンでも買うか・・・と自転車で立川に出た。だが5000円のGAPのパンツがあまりに酷かったために7800円くらいのほうにしようと思ってみていたら、いつの間にかSHIPSで倍くらいの値段を出してサマーウールのパンツを試着していた。これはいけない。危険だ。廉価なものならヘルメットとビンディングシューズとSPDペダルが買える。XTRブレーキが前後セットで買えてしまう!危険だ!
危険だ!

ま、愛せるものなら愛せないGAPのパンツ2本よりいいよね…と自分に言い聞かせるのが僕の買い物の負けパターンなのはいつものこと。もちろん買った後は長く愛せるので失敗したとは微塵も思わない。
ウールのパンツは自転車のときには履けないけど、でもウール素材って実は通気性がよい上雨も防ぐので、昔はマイヨジョーヌみたいな賞ジャージにも使われていたらしいというのはあまり関係ないがなかなか面白い話。