上高地 5/26

先月末に上高地へ行ってきました。

上高地07 ニリンソウ上高地には一般のマイカーの乗り入れが禁止されていますので、麓の駐車場に車を置いてタクシーやバスを利用する必要があります。沢渡という土地の駐車場に着いたのが午前5時10分頃、4000円定額のタクシーに乗って上高地帝国ホテルに着いたのは5時40分頃でした。荷物を一部預かってもらい、さっそく散策を開始します。

上高地リピーターである有村に誘われて行った旅だったため、事前調査など何もしておらず上高地についてもほとんど知らないままだったのですが、尾瀬みたいなもんだろうと考えていたら実際の上高地は予想とはかなり違った場所でした。
標高は上高地が1500mに尾瀬ヶ原が1440mと近いため、樺系の樹木が多かったりニリンソウが群生していたりと植生はけっこう似ているのですが、水はけという点で両者の土壌は大きく違うようです。尾瀬ヶ原は高山に囲まれた湿原であって、面積がかなりあり盆地のような構造をしています。その分水分が広く遊び、湿原を形成しているのでしょう。いっぽう上高地も尾瀬と同じように火山の造山運動によって川がせきとめられ出来た平坦地ですが、山が迫っているぶん水はけはそれほど悪くなかったのか、池も湿った土地も多いのですが湿原と言うまでではありませんでした。

上高地07帝国ホテルから5分も歩くと川に出ます。この上高地の景勝を構築した梓川です。この川が造山運動でせき止められ、大量の土砂を堆積しこの平坦地ができたということです。前日に大雨が降ったため、普段は透明度が高く美しいという梓川も濁り気味でしたが、随所で水が停滞していて美しい川底を見せてくれていました。景勝地として名高いところ、くらいの認識はありましたから、当然カメラには広角レンズを装備していきました。おかげで近景で撮った人物はいたるところで樽型にゆがんでいますが、僕は通常体型が樽型なので結構自然に写っていると言われています。

上高地07この写真の時点で朝6時半くらい。山岳の合間から朝日が差し込んでいます。
上高地はもともと穂高連峰などの登山基地として発展したらしく、本気の登山客もかなりいました。スキーを背負っている人もいましたが、上で滑るんでしょうか…。僕らはそんな装備も体力もないので、この平坦地の最奥となる徳沢という土地を目指します。マイカー規制のおかげなのか、空気がとてもおいしいのは感じたのですが、あまりに平坦なためここが標高1500mに位置しているということを忘れがちになります。ここであれば多少足腰に不安がある人でも散策できそうだというのが最初の印象です。もちろんそれは、この場所が天然記念物・国定公園・特別景勝というトリプルクラウンで保護され整備されているためです。この後奥に行くにつれ、前日の大雨で橋が渡れなくなっていたり、山から土砂が大量に流れてきた場所などを渡っていくことになり、この地域の見た目の平穏さはなんとか自然を飼い慣らした結果なのだと思い知らされました。

つづく。