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12時間耐久自動車レース用支援ソリューション開発

12時間耐久を走りきり、ピットインする106

継続して支援させていただいている、元気株式会社様と有限会社キャロル様のプロジェクト Genki Racing Project が12時間耐久レースに参加するにあたり、支援ソリューションの開発を行いました。

最新のRenault車で参戦してきたエコカーカップと違い、今回参加する車体はPeugeot 106。生産は1991年から2003年となり、OBD-IIが搭載されていません。今回のテーマは燃料消費量を定期的に確認するためのソリューションと車載ライブ配信のサポートでしたが、20世紀のソリューションを再発掘するようなトライとトラブルの連続でした。

チームとしてはクラス優勝に加え、総合11位というチームとしての過去最高位に到達しました。ランボルギーニ ウラカン GT3 や スーパートロフェオ といった公道を走れないスーパーカーやアストンマーチン・ヴァンテージ、トミーカイラZZ、たくさんのポルシェ、そして百戦錬磨の耐久レーシングカーに囲まれた中でのこの成績は誇れるものだと思います。

GRPチームメンバー(のごく一部)

願わくはその勝利にいくばくかは貢献したかったのですが、当初の想定通り最初の数時間で通信できなくなったライブ配信と、6割がた正常に機能したものの従来ソリューションである「無線で都度確認」の前に優位性を提示できなかった燃料計中継システムは次回への課題を山積して終了しました。その後はピットチームメンバーとして給油・データ管理・戦略立案のお手伝いをしましたが、これも次回への糧となってくれると思います。

ライブ配信は予想の範囲内だったので次のステップアップ計画を含めて順調なのですが、燃料使用量中継についてはどのようにハンドリングしていくか一年間じっくりテストし考える必要がありそうです。

しかしこれだけで終わってはさすがに寂しすぎるので、フロントエンドエンジニアとして事後の仕事をしました。アイドラーズ12耐はツインリンクもてぎで開催されるため、Race Now!というすばらしいレース状況中継アプリで周回データを基本としたデータ閲覧ができるのですが、このデータは次のレースが来てしまうと消えてしまいます。これを解析し、来年の戦略立案時に活用できるよう保存しました。外部に公開できるような性質のものではありませんが、他チームの方で参考に欲しい方がいらっしゃったらご連絡ください。

このようなプロジェクトに参加する目的はひとえに「新しい環境下のITソリューションの可能性を模索するため」です。普段の業務ではうまくいくかどうか分からないソリューションを提案することは基本的にできません。もう20年以上この業界で仕事をしてきていますが、我々の業務は研究開発ではないので、新しいものを採り入れながらも、少しずつ溜めた経験の中で培ってきた確実なソリューションをご提案することが第一です。その中でも確度の高いところで新しい試みを少しずつし、できることを拡げているのですが、GRPのような何が起こるか分からない、またまだ誰もやったことがないソリューションの開発は失敗の確率も高いですが得られるものもまた膨大です。そのようにしてエコカーカップの支援ソリューションはできあがりましたし、毎回失敗もしながらレベルアップを果たしています。
そのようなわけで、ぜひ次回は捲土重来を期したいと思います!チームはもちろん優勝旗の防衛と、総合ランクアップを!