南阿佐ヶ谷『龍みちのく』ラーメン;四年待った!

龍みちのく@南阿佐ヶ谷僕は7年ちょっと前~4年前まで西荻窪に住んでいたのですが、折しもラーメンブームがちょうど始まった頃で、西荻窪には『はつね』『ひごもんず』『松味庵』もあり、つけ麺ブームが始まってからは『翔丸(現在は大久保に移転)』も加わり、にわかにラーメン激戦区になりつつありました。

どの店も思い出深い味ですが、自宅の裏手に深夜までやっている小さなラーメン屋があることを発見しました。のれんには「龍みちのく」と書いてあります。当時は仲間うちで会社を立ち上げた直後で、深夜まで仕事をした後食べに行く店があまりありませんでした。『龍みちのく』は狭くて(おせじにもきれいとは言いづらくて)入りづらい感じの店だったのですが、思い切って入ってみました。
入ってみるとまず店主が日本人ではないことにびっくり!しかも話を聞いてみるとイランの人。それだけならただの「珍しいラーメン屋」だったのですが、このラーメンが食べたことのない味で、すこぶるうまいもので、たちまち週に2~3度通うようになってしまいました。お店は『龍みちのく』という名前なのですが、「矢作(やはぎ)ラーメン」がメインメニューだったために、「やはぎラーメン」が店名だと勘違いされることが多かったようです。矢作は奥さんの実家の岩手にある地名だそうで、そこで修行をされたとか。でも他に東京で似たようなラーメンを見たことはありません。ラーメンの分類としてはスープのない油そばに属すると思いますが、『ぶぶか』のようにねっとりした油っこいものではありません。
トッピングにはキムチ、チャーシューに加え納豆も。チャーシューが絶品で、納豆も不思議とよく合います。ピリッと刺激のあるタレと、イランではよく使われるという揚げネギと、柔らかく煮た分厚いチャーシューを太めの麺といっしょにほおばると、この店でしか味わえない至福の味になります。
案内した友人も何人か気に入ったようで、僕がいないときに何度も来ていた友人もいました。アメリカで生まれアメリカで育った従兄弟も、日本滞在中に何度も足を運ぶほどやみつきになっていたのが思い出されます。
店主のアリさんの人なつこい人柄もあり、『龍みちのく』のファンは着実に増えていました。
西荻時代、閉店直後の龍みちのくしかし僕が西荻に4年弱ほど住み、引っ越しの話が出始めていた頃、突然『龍みちのく』が消えてしまいました。店内もきれいに片づいてしまっていて、ファンたちの間では当時健在だった『西荻ゐき』という地域情報wikiサイトで「何かあったのではないか」「どうしたんだろう」と心配する声が囁かれました。その後事情を知っている方から「アリさんはイランに帰られたけれどそのうち日本に戻ってまた店を開きたいと言っている」という書き込みがあり、僕らはほっと胸をなでおろしたわけですが、それから4年もの歳月が経ってしまったわけです。去年くらいまではアリさんの消息もちょくちょく書き込まれていたのですが、『西荻ゐき』も管理人が変わり書き込みができなくなり、その後は消息を聞くことができないでいました。

このあとはつい最近の話になります。
’08 12/15に、先述のアメリカの従兄弟が4年ぶりに来日しました。
12/16に、「あのおいしかったラーメン屋に行きたいんだけど」と言われ、僕は龍みちのくのことを思い出しました。「残念だけど、閉店してしまった。僕もすごく食べたい」と僕。「アメリカに帰ってから三ヶ月くらい、心からあの味が離れなかった」と従兄弟。こんな会話がありました。
そしてそれから数時間しか経っていない、12/17の午前3時のことです。従兄弟も隣の和室でNY時間で仕事をしています。仕事の合間にmixiを開いてみると、最近は見ることもなかった西荻コミュのトピックスに「龍みちのく」の文字が。懐かしさにトピックを開いてみると、なんと南阿佐ヶ谷で復活しているというではないですか。さっそく隣室の従兄弟に知らせ、同じく矢作中毒患者のうちの社長にも知らせます。
12/18 夕刻 JR阿佐ヶ谷駅で待ち合わせ、3人で『龍みちのく』へ向かいます。住所だけでは場所がよくわからなかったので少しうろうろしましたが、駅前の並木道をまっすぐ南阿佐ヶ谷方面に歩いていくと、区役所の手前あたりの左手にありました。

矢作らーめん納豆(揚げネギトッピング)店内にはアリさんが一人でいました。西荻のお店より少し広いですが、席数は同じくらいでしょうか。
ほかにお客さんもいなかったので、懐かしさに任せていろいろなことを話しました。それはプライベートな話なので置いておきますが、ともあれ僕は「矢作納豆らーめん揚げネギ追加」を。写真がそれですが、揚げネギを増量したためラーメンなのかすらわからない写真になってしまいました。

すこし混ぜて麺を露出させた写真がこれです。味は「4年間味を忘れないようにがんばった」とアリさんが言うだけあり、「ああ、この味だ!」と言いたくなる味・・・というか実際に3人とも異口同音に口にしていました。12/5に開店したばかりで、まだスペシャル(トッピング全部載せ、麺2倍)と味玉は無いようですが、納豆、キムチ、チャーシューに加え揚げネギの増量トッピングが増えていました。ここのラーメンは矢作ラーメン以外にも塩ラーメンもジャージャー麺もいけます。月曜あたりにまた食べに行きたいと思っています。

矢作チャーシュー+納豆+キムチ+揚げネギ×大盛り。現状の全部載せ。当然有村の皿。味はいろいろなことを思いださせてくれますね。矢作を食べていたら、西荻時代のことをいろいろと思い出しました。僕にとっては最後の青春時代とも言えます。今年はプライベートではあまりいいことがなかったけれど、年末にこんな贈り物があるとは。

龍みちのく
東京都杉並区阿佐谷南1-16
営業時間11:00-14:00 17:00-24:00
(ディナータイムが18:30~になったとの情報あり)
日曜の夜以外は不定休

“南阿佐ヶ谷『龍みちのく』ラーメン;四年待った!” への13件の返信

  1. そうだ、こんどの久野パーティの日、南阿佐ヶ谷近辺で飲むってのもいいかもね。前このへん住んでなかったっけ。
    日曜なのでやってるかどうか確認しておきます

  2. こんにちは。

    たまたま、龍みちのくで検索していて、見つけて参りましたので、足跡をば。

    アリさんとは本当に仲良くしてもらって、店を閉めた後にも一度電話をいただいたのですが連絡が取れずじまいでした。

    矢作も野菜の味が強い醤油ラーメンも、ダンシング焼き餃子も前のままなのかな。

    来週にでも顔を出してみます。

    いや、楽しみです。

  3. ダンシング餃子は確認できなかったんですが、しそ入り棒餃子がありました。
    mixiに「西荻ーズ。」というコミュニティがあり、そちらにもトピックが建っていて今のところ不安定な営業時間情報なんかもあります。よろしかったら見てみてください。

  4. 8月に入って再度閉店してしまったという話が・・・

    7月の終わりに食べに行ったんだけど、毎度ながら急すぎるよ!
    再開を待ちます