Shure E2c ファーストインプレッション

shure_e2c.jpgShure E2cまだ馴らしをぜんぜんしていないので何とも言いようがない部分はあるけれど、せっかく買ったので第一印象を。

そもそもずっとカナル型のイヤホンに抵抗があって購入に踏み切れずにいたのだけど、価格が手ごろなのと形がかっこいいというのが一番の理由で購入。芋虫っぽい部分が好き。

【装着感】
イヤーパッドは6種類付属していて、いわゆるふつうのカナルっぽいのが大中小三種類、KOSSのPlugと似た(しかしよりダサくチャーミングな)低反発素材のふんわりパッドが大中小三種類。鵠沼へ行く電車の中でいろいろと試した結果ふんわりパッドの中が一番フィットすることが判明。これ以外は音がほとんど聞こえなかったり耳から落ちてしまったりで、ふんわり(中)以外のパッドは予備としては全く役に立たないことが判明した。
うまく装着できるようになるまでは練習する必要がある。電車のなかではちょっと厳しかった。きちんと合うサイズを使えば装着感はかなりいい。ことに僕は耳の穴が小さいのでふつうのイヤホンだと長時間の使用を続けると耳が痛くなることが多い。これは皮膚に当たる部分がかなりソフト(ふんわりパッド)なのでその心配は少なそう。

【音】
このイヤホンの評価はE3が出て以来微妙になっている感はあるけれど、価格帯からSONYのMDR-E888SP/LPと較べられることが多い。MDR-E888というのはカナル型ではないN・U・D・Eの最上位モデルで、実売は6700円前後。僕は昔これを使っていたことがありかなり気に入っていたので、「E2cはSONYのMDR-E888よりいい」という評価が多いのを見て気になっていた機種なのだ。
ただヘッドホンオーディオ評ではいわゆる「ドンシャリ」が嫌われる傾向があり、このE2cに関しても「解像度が高くドンシャリではない」という評価をよく見る。確かに最初に聴いたときに感じたのは「音が軽い」という一点だった。それは装着方法に習熟していなかったり周囲の音環境、また音に慣れてきたことなどもありその後改善を見た感じがしているのだけど、SONYをはじめ日本製イヤホンと較べると低音が軽い印象を受けるのは確実だろう。
ドンシャリ(高音域と低音域を強調した音作り)がいいか悪いかは主観によるものと思うが、低音を意識した作りをしているのはたいていの日本のヘッドホンに言えることなので、日本製の解像度の高いヘッドホンであればドンシャリと感じるの仕方のないことなのではないかと思っている。インナーイヤーヘッドホンに関して言えば大きさが大きさなので低音に弱くなるのは仕方のないところで、そこを補う努力というのは悪いことではないように思うのだが、海外オーディオ信仰も多少加味されて日本の高音質ヘッドホンは割を食っている気がする。
解像度は確かにかなり高い。
ただしイヤーパッドの選択も含めて正しい装着方を見つけた場合なので、試しに聴いてみて判断するのは難しいのではないかと思う。合っていないパッドだと本当に音がでないので解像度以前の問題だ。MDR-888SPは既にソニータイマーが発動しており燃えないゴミになってしまったが、もう少ししたら買い直して較べてみるのもいいかなと思う。今まで買ったSONY製品で唯一満足した商品なので感慨深いし、壊れて数年経つので懐かしさもある。
数時間聴いた限りでは、確実にE2cに合う音源というのはあるとおもうのだけど、僕はBOSEスピーカーのせいもあって分厚い低中音域に慣れ親しんでいる(いわゆるBOSE耳というやつ)ので、嫌いな音ではないけれど今のところ少し物足りない感がある。
それから、耳の形にパッドが合うかどうかにもよると思うけども、遮音性能はあまりよくない。ふんわりパッドの場合はさらに遮音性が低くなる模様。いま自宅に帰ってきてこの静寂の中使用してみると音の特徴が際だってきた。電車の中で使える音量にすると高音が厳しいことになるバランスと言えるのかも。

エイジングを重ねる過程で耳も慣れてくると思うので、今後が楽しみ。