第二次スーパー虫っこ大戦 その2

じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!! しかし、ブラウンゴキトロン(以下BG)は決して諦めていなかったのである。折しも6月の終わりに近所で一件の古家屋が取り壊され、更地になった。それに呼応するかのように彼らの侵略は始まっていたのである。

 昨日、7/18の夕刻のことである。
 トイレの壁面にふたたびBGの成虫が出現した。今回の侵入経路は明白で、トイレに取り付けられた換気ファンの穴であると思われる。ファンが回っていないときには彼らを阻害するものはほぼゼロである。敵一匹中隊は迅速に駆除され事なきを得たが、侵入可能な経路がまた一つ明るみに出たことは関係者を悩ませた。しかし進入経路が特定されたことで一定の安堵感を持ったこともまた確かである。ただ、この換気口からの侵入はなんとかしなくてはいけない。今後の課題である。
 そしてその夜。連日の勝利で安心しきった人類はGEOでレンタルしてきた「ボーン・スプレマシー」を鑑賞しようと居間でソファに腰をおろした。テレビを見ていたその視野の端に、巨大な影を認めた人類は体を強ばらせた。今までの敵とは明らかに異質な色。そしてその巨大さ。禍々しさ。人を威圧するその姿。ブラウンゴキトロンではない。これはブラックゴキトロン(通称クロゴキブリ、KG)に間違いない・・・。

 KGへの遭遇は引越後初である。そして居間は家具もほとんどなく、押入も点検済みである。絶対に安全だと思われていた、いわば人類の最後の砦である。体長3cm強、触覚部を含めれば5cmに達しようかという成虫のKGが生息できる場所などありはしない。いったいどこから―――?(つづく)