第二次スーパー虫っこ大戦 その1

ぜったいゆるさんぞ虫ケラども!!!!! あまり知られていない事実だが、ブラウンゴキトロンとの初戦後、人類側の防御網は着々と増強されていた。最大で体長2cmほどとなるブラウンゴキトロン(通称チャバネゴキブリ)も、これまでは米粒大の小型のものしか確認されていなかったのだが、本隊の到着を見越してゴールデンバード社製対ゴキトロンスマート地雷「コンバット」の敷設を完了していた。それが先月の時点である。
 前回の地球レッドWによる絨毯爆撃の効果もあり戦線は収束へ向かうかと思われており、報道も縮小傾向にあったことは否めない。しかし、果たして奴らはやって来たのである。
 ブラウンゴキトロンの成虫の襲来である。
 成虫が初めて確認されたのはダイニングキッチンであった。鼻歌混じりで料理中の人類がふと気配を感じて足下を見ると、こちらの視線から隠れるように匍匐前進をしている2cm強のブラウンゴキトロンがいたのである。
 しかし不意を衝かれたとは言えここは最前線である。前線配備されていたGジェットプロ砲により、敵一匹中隊は速やかに殲滅された。

 さて、ここで問題となったのは侵入経路である。発見された位置から推定して、これまで戦線の縮小で棚上げされていたシンク横の隙間からやってきたのではないかという説が、証拠はないものの最も説得力があった。隙間の補填工事が急遽決定され、不乾性パテで完全に埋められた。
 また一方でシンク下のパイプの老朽化も問題となっており、こちらも新品に換装された。

 これでさらに防御策は強化され、盤石と思われた。しかし・・・