覇 -LORD-

先日写真だけでご紹介した、池上遼一×武論尊のBIG COMICスペリオール誌での新連載「覇 -LORD-」。どうやら「はロード」ではなく「覇」と書いてロードと読むようですが、それはともかく、連載第一回目のスペリオールを買って読んでみました。すごいことになっていました。

シーン1.舞台は邪馬台国。卑弥呼の前にかしずく男性に向かって卑弥呼が「ようやく倭の連合が成就した。奴国の勇将・燎雨…もう我を抱いてもいいのではないか」といきなり服を脱いでアピール。(池上遼一ワールド;以下 I )それを拒否する燎雨(武論尊ワールド;以下 B )。他の女に心が動いたのかと誤解する卑弥呼に「痛いほどに怒張しておりまする」と発言にモラルのない燎雨( I )。中国大陸で曹操に「人民の頂点に立つ人間は欲と俗を捨てなければいけない( B )」と言われたから卑弥呼はエッチしてはいけない、僕も中国を制覇する( I )、と偉そうなことを言う燎雨。卑弥呼に恋慕する男が燎雨に刺客をたくさん送る( I )が海辺で全員殺していく燎雨( B )。卑弥呼は刺客を放った男のちんちんを切り落とす( I )。
シーン2.日本海を(泳いで)渡った( B )燎雨。中国は黄巾の乱の真っ最中。たどり着いた漁村で悪い役人に出会い殺そうとする( B )が「村人にも迷惑がかかる」という理由( I )で断念。ちょうどそのとき二匹の暴れ馬( B )に出会い、暴れ馬の首を一瞬で切り落とす( B )ことによって鬱憤を晴らす。
シーン3.その暴れ馬の持ち主がその場に表れると、都合よく( I )その持ち主は劉備玄徳と張飛と関雨。張飛は頭が悪そうな力持ちで関雨は役人との間を冷静にとりなそうとするが劉備が役人の首を落とす( I+B )。三人についていくことにした燎雨( I )。

という感じで第1話が終わります。見事にお二人のカラーが出ていて予想通りというか何と言うか笑うしかありませんでした。どっちもほぼ確信犯なのでこうなるのはわかりきっていましたが、第1話からいきなり脱ぐあたり結構議論があったのではと思わせられました。つーか欲とか卑弥呼とか関係ねえだろ。多分卑弥呼は二度と出てきません。

ちなみに武論尊は「北斗の拳」の原作者(シナリオライタ)、池上遼一は「HEAT」とかハードボイルド系の漫画家です、念のため。前者は「力強さで悪を懲らしめる男」を、後者は「チンピラの世界をカリスマ的で一匹狼な強い男がセックスをしつつ制覇する」というお話をよく描きます。