「リアルで」

夏の青梅駅から小学校を望むあやに「『リアル』という言い方やめてよ」と言われたことがある。これはUOをやっていた頃からだと思うのだが、かねてよりあった「オンライン」「オフライン」の対語に変わって「ネット」「リアル」という言い方が幅をきかせてきた。
「昨日、田中の家に遊びに行ったよ」
「UOで?」
「いや、リアルで」
この会話は確かに外から聞くと違和感を感じるし、ネットやオンラインRPGの存在を前提にしてなければかなり奇異に聞こえることだろう。僕は意識的にこの単語を使った覚えはないのだが、何かの拍子に使ってしまったらしい。気をつけようと思った。
(だけど、オンラインを仮定している会話状況でそれを否定する単語って実はあまりない。「オフラインで」というのは少し違うし。「いや、実際に彼の家に行きました」というのは、長いだけではなく完全な否定をなしえていない)

で、それは随分前の話なんですが、昨日電車に乗っていたら小学校一年生くらいの活発そうな男の子二人の会話が耳に飛び込んできました。聴いた瞬間に耳を疑う言葉なんてなかなかありませんが、これは破壊力があった。
男の子A 「ねえ、リアルで誰が一番好き?」
いろいろな状況が一瞬にして理解できる一言です。その場で説教しようかとさえ思いました。若い身空でなんて下品で恥知らずなことを!
しかし僕の心配などよそに、もう1人の男の子はこう受け答えました。
男の子B 「うーん、ロナウドかなあ・・・」
男の子A 「えー?ベッカムがいるのにー?」

小学校低学年の子たちがファンになるほど欧州サッカーというのは身近になっているのだなと思う反面、薄汚れてしまった自分が情けなくなりました。

レアル・マドリード

“「リアルで」” への2件の返信

  1. リアルで、ってヤですね。萌え萌え、くらい嫌かも。

    「リアル」っていうとしりあがりの「真夜中のやじさんきたさん」とか、精神世界系のニュアンスも含んできて余計違和感を感じます。日常生活では。
    (井上雄彦の「リアル」は、連載休みすぎだろ、という感想だけど)

    なんか、心ここにあらずというか、どこかの世界に片足突っ込んでる感が丸わかりの感じがいやなのかもしれません。
    げろげろ。

  2. とりあえず対案として、「マジで」「マジモンで」「物理存在として」「手の届く範囲で」「非電化製品的に」「ネット外で」「トラディショナルに」「プリミティブに」「プリで」などを考えてみましたがどれがいいでしょうか。
    「ネットで」に対義となることば。