標高2000mにある露天風呂とスーパー山小屋ホテル;高峰温泉に行ってきたよ。その2

前回までのあらすじ;キムチに誘われて温泉旅行に行くことになった僕。行き先の高峰温泉は標高2000m、冬季は道路が閉鎖されるため雪上車による送迎があるのだという。予約日は道路閉鎖の五日前。足はノーマルタイヤのFFコンパクトカー、タイヤチェーンは持っていない。天気予報は雪。いったいどうなってしまうのか!

懐古園の入り口近くにある草笛という蕎麦屋を出た我々は、いよいよ高峰温泉への道を登ることにした。空からはちらほらと細かい雪のようなものが舞ってきている。完全に曇りだが、天気予報では夕方から雨か雪ということなので、一気に登ってしまうことにした。

小諸ICから高峰温泉まではチェリーパークラインというスカイラインを登る。植林されたカラマツ林の紅葉が美しいが、写真の通り、明らかに雲の中。フォグランプを点けるほどではないものの、景観はいまいち。残念。

チェリーパークラインはよく舗装されているきれいな道路なんだけど、ターンがきつい。右へ左へハンドルを(キムチが)切りながら、車は標高を上げていく。

勾配が緩やかになってくると、高峰高原ホテルがある。ここの駐車場からの眺めは良さそうだったが、曇ってるので何も見えない。高原ホテルからすぐ、高峰高原ビジターセンターが現れたと思ったら、突然舗装路が終わった。よく整地されてはいるが、ダートだ。

まーしょうがないか、と思いながら遠くを見遣ると、一瞬自分の目を疑った。

雪ですか?

雪です。

おそるおそる行ってみるとこれはスキー場「アサマ2000パークスキー場」の人工雪だったのだが、このときの絶望感と安心といったら無かった。(道路はスキー場を横断していて、20日に迫るスキー場の営業開始以降は道路も雪で覆われるそうだ。とかいって、帰りには既に雪を撒かれていたのだが…。それでも50-60mくらいの直線のみだったので、ノーマルタイヤで気をつければ十分通れる状況ではあった。特にガードレールなどもないので、途中で横滑りなどしたらゲレンデを四輪で滑降することになるけど。)

ちなみにビジターセンターは新しくておしゃれな建物で、僕が行ったときは飲み物しか出していなかったがおいしそうなイートメニューもあった。通常営業中ならここでお昼もいいかも。(予約しておけば、高峰温泉でもお昼が食べられます)

ダートを300~400mくらい入っただろうか。すると、突然着いたぜ!目的地、高峰温泉。

思ったより、でかい。
普通。
全然山小屋っぽくない。

しかし、めちゃくちゃ寒い!!

標高は1950m。-0.6℃/100mの法則で、小諸駅が標高603mなので下と8℃は違う計算だ。

さっそくチェックインを済ませると、スタッフさんの数がとても多いことにすぐ気づいた。このホテル、でかいんじゃ?
どこが山小屋?

「ランプの宿」というだけあって、確かに館内至る所にランプが置いてあるけれど、その言葉から連想する小さな山小屋風旅館とはほど遠い、しっかりとした施設だ。部屋数は23室。館内は全館スチームパイプ(多分)で暖房され、窓は全て二重サッシ。とても暖かい。外は氷点下でも、Tシャツでうろうろできるくらいの暖房だった。

宿に着いたのは13:20頃。露天風呂は「雪が降るから今日は入れません」という話だったので、内湯に入ることにした。内湯は二つあってどちらも男女別。大きな風呂と、小さめの風呂。眺望がちょっと違う以外は同じ、、かな?小さい方は見に行ったけど入らなかったのでわからない。
泉質は「含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)」。源泉かけ流しの浴槽と、浴槽加温・濾過の浴槽とに別れている。源泉かけ流しのほうはちょうど人肌より少し暖かいくらい。飲泉もできて、効能は肝臓病とか内臓系が多かったかな?温泉の効能書きはあまり信じてないので見なかったけど、それはそれとして半身浴的な長風呂をするにはちょうどよいぬるめの湯だった。20分も浸かっていると体がぽかぽかとしてくる。硫黄の匂いが少し乗ったお湯にゆったり浸かり、窓の外には高山の景色が広がる。これが至福というものではないか。

先客やキムチと話しながら内湯に入っていると、従業員さんがわざわざ「天候が回復したので15:00-18:00という時間帯で入れることになりました」と教えてくれた。
なんと!運が良い!

次回、ついに標高2000mの露天温泉の実態が明らかに!

ところで、部屋のこと

高峰温泉の部屋のタイプは3タイプあるようだ。南に面した眺望のある部屋と、その二階(さらに眺望が良い)、そしてスキー場側。スキー場側は木が生えていて、あまり眺めは望めない。でも食堂からもレストルームからも温泉からも景色が見えるので、部屋を選ぶ意味はあまりないかもしれない…。特にスキーや登山が目的のときはどうせ疲れて寝るので、どこでもいいような気がする。星が目当てなら、眺望の利く部屋のほうがいい。

今回僕らが泊まったのは一階の眺望のよいほうの部屋。ミドルレンジですね。確かに、木があるからちょっと展望が邪魔されるけど、眺めがよい。朝に夕に、刻々と変わる景色が楽しめる。寝ながら窓から見る星も凄かった。

トイレや洗面所は共同だが、トイレは水栓の便座ウォーマーつきウォシュレットだし、トイレにも暖房が入っている。全く困ることがない。浴衣、どてら、歯ブラシ、バスタオル、ハンディタオルあり。食事の時間に布団の上げ下げさえしてくれる。スタッフの応対も丁寧で、気持ちがよい。なんなのこの宿…山小屋だと思って来てみたら、普通以上の上質な旅館だった。